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なぜ戦争は起きるのか

(超左翼)

 いま、このタイトルで本を執筆中です。だいぶ時間がかかると思いますが、どんな問題意識かを分かってもらうため、「はじめに」だけアップしておきます。全体が書き終わった後、おそらく全面的に書き直すとは思うんですけどね。

 「なぜ戦争は起きるのか」──。この問いをめぐって、それこそギリシャ・ローマ時代から現代まで、多くの人びとが真剣に考え、議論を深めてきた。戦争というものはそれほどまでに頻繁に発生し、人びとの苦悩を生みだしてきたのであり、そうした戦争を防ぐ方途を見いだすためにも、この問いへの回答が不可欠だったということであろう。

 しかし、この問いへの回答を知りたいと思って本書を手にした読者に対して、最初からこんなことを言うのは申し訳ないのだが、この問題への正確な答えは存在していない。本書とてその例外ではない。古今東西、多くの研究者、政治家が戦争の実例を調査し、思索を深め、回答を提示してきたし、そのなかには傾聴に値するものも少なくないが、一〇〇点満点の回答を示せた人はまだいないのだ。
 考えてもみてほしい。もし、戦争の原因が一〇〇%解明されていたとしたら、解決策も同時に分かるはずである。そして、解決策が分かっていたのなら、悲惨な結末をもたらす戦争など誰も望まないのだから、その解決策が実施に移され、戦争は起こらなかったのではないだろうか。ところが、実際にこの世から戦争がなくなっていないということは、戦争の解決策と同時に、戦争の原因も解明されていないことを証明していると思われる。
 それとも、戦争の原因は明白なのに、その原因を取り除くことが不可能だったり、困難だったりするから、戦争はなくならないのだろうか。そういうこともあり得るかもしれない。たとえば、さきほど「悲惨な結末をもたらす戦争など誰も望まない」と書いたが、戦争で利益を得る人びとが権力を手にしているから戦争が起こるのだと考える人も少なくない。そこには真実が存在する。
 ただしかし、それならなぜ、そのような権力者をいつまでも権力の座に居座らせているのか。戦争する権力者を排除できないような社会が存続するということは、国民もまたそういう状態を容認しているということを意味するのであって、戦争の原因を権力者に求めるだけでは説明できないのである。

 戦争の原因というのは、このように難しい問題である。しかし、この問いへの回答は、日本の人びとにとって、いまほど切実に求められているときはない。それは、尖閣諸島をめぐる緊張が、日本の多くの人びとを不安におとしいれ、戦争の兆しを予感させていることによる。
 先ほど一般的に提示した問題を中国に即して論じてみれば、中国との戦争が起こるとして、その原因がどこにあるかが正確につかめれば、原因を取り除き、戦争を回避するために何が必要かも、見えてくるのではないか。「不正義の中国との戦争を恐れてはならない」と勇ましく説く人びともいるが、そういう人びとであっても、超軍事大国となった中国との戦争の行く末をリアルに想像すれば、なるべく回避したい事態であることでは気持ちを共有できるだろう。
 いや、戦争の原因はそれを仕掛ける中国の側にあり、仕掛けられる日本の側にはコントロールできない問題であって、原因が分かっても解決にはならないという考え方もあろう。しかし、そういう場合であっても、戦争の原因を正確に捉えておくことは大事である。なぜなら、中国の戦争目的がどこにあるかによって、日本側の対処も異なってくるからだ。
 たとえば、尖閣諸島をめぐる問題を例にして考えても、軍事的な対応を優先させる中国のねらいが海底油田などの経済権益にあるということであれば、中国に経済的な取り分を与えることによって、どこかに落としどころをもってくることはあろう。一方、中国の狙いが領土の獲得だというならば、妥協はそう簡単ではなく、解決が長期にわたるのを覚悟し、解決策を考えざるをえないということである。いずれにせよ、戦争の原因は、解決策に直結しているということだ。

 本書は、いまだ回答が出ていない問題をめぐる、筆者なりの模索の結果である。この問題に挑むことについて、自分自身、力不足であることは自覚しているが、日本をめぐる緊迫した事態を前にして、一〇〇%の正解は出せなくても、精一杯の努力はしなければならないと考えた。いろいろな方の努力が積み重なれば、正解がより近づき、戦争を回避する可能性が少しでも高まるのではないのだろうか。
 本書では、まず、戦争の原因に関する様々な考え方を取り上げ、その当否を検討する(第一章)。そのうえで、第二次単戦後の戦争の実例を検証しながら、戦争の原因というものを考えてみる(第二章)。さらに、資料や考え方も豊富な日本の一五年戦争を材料にして、この問題をできるだけ深く検討し(第三章)、最後に、いま日本周辺で戦争の起こる原因や可能性を考えながら、戦争を防止する方途を提示してみたい(第四章)。

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