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戦争の原因をめぐって・5

 戦争の原因を探ろうとするいろいろな学説は、戦争というものが絶え間なく発生し、人間に厄災を与えてきたことを動機とする。これからも戦争がやむことはないだろうけれど、できるだけ発生を減らし、惨禍を食い止めたいという願いがから来ているわけである。

 しかし、よく指摘されているように、国家と国家が戦争するという事例は、最近、劇的に減っている。これも同じく指摘されているとおり、内戦は増加しているが、いま日本の人びとが心配するように、日本と中国が戦火をまみえるというようなかたちの戦争は、ほとんど発生していないのだ。

 そのことをリアルに示したのが、国連が2010年12月に発表した、「人間の安全保障報告2009/2010」であった。「人間の安全保障報告」は、それまでも何回か発表されたことはあるが、この報告の焦点は、戦争と平和の傾向がどうなっているかにあった。

 報告はまず、第二次大戦後に国家がかかわった武力紛争を、紛争当事者が誰であったかを基準にして、四つに分類した。①国家と国家による紛争、②植民地独立戦争(宗主国対植民地の人びと)、③国家と国内武装勢力との紛争(内戦)、④内戦に外国が介入した紛争、である。

 その上で、報告は、①と②を国際紛争だと定義する(③と④は内戦なので)。そして、この国際紛争が発生した数について、1950年代は毎年の平均が6・5件だったのが次第に減り続け、2000年から08年の平均では0・78件にまでなったことを明らかにしている。

 「なぜ国際紛争は劇的に減少したのか」──報告は、そのような見出しをたてて、原因を指摘している。そこであげられているのは、国連憲章のもとで戦争が禁止されたこと(安保理が認めた場合と自衛の場合を除いて)、植民地主義と冷戦が終わり、国際社会の緊張要因が取り除かれたこと、国際的な経済関係が密になり、戦争で資源を奪うより貿易で手に入れる方が安上がりになったこと、などを強調している。適切な解明である。

 なお、植民地がほとんど存在しなくなり、②のタイプの戦争がなくなるのは当然である。しかし、①に限ってみても、八〇年代は平均で三件であったから、大幅に減少していることに変わりはない。先ほど書いたように、日本で危惧されているのは、中国とか北朝鮮などの国家を相手にしたものだから、こうした変化には意味がある。

 ということで、いま重視しなければならないのは、「なぜ戦争は起きるのか」にくわえて、「なぜ戦争は減ってきたのか」ということである。このことは、第二次大戦後の戦争の実例を研究すれば、結論が導きだされるのではないか。私がいま書いている本の特徴のひとつは、そこにある。

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